俺たちの旅の10年目の再会って、どんな内容だったんだろう?
あらすじやキャストが気になる、という方も多いのではないでしょうか。1985年に放送されたこのスペシャルドラマは、伝説の青春ドラマの続編として視聴率20%を記録した人気作品です。
中村雅俊さん演じるカースケをはじめ、オメダやグズ六といったおなじみのキャラクターたちが30代になって再登場し、洋子との切ないすれ違いも描かれています。
DVDや配信で視聴できるのか、再放送はあるのか、20年目や30年目の続編との違いは何か、さらには2026年公開予定の50年目の映画情報まで、この記事では俺たちの旅10年目の再会に関する情報を網羅的にまとめました。
主題歌や挿入歌の魅力、ロケ地での聖地巡礼スポットについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 俺たちの旅10年目の再会のあらすじと見どころ
- 中村雅俊ら豪華キャストとその後の設定
- DVDや配信など現在の視聴方法
- 20年目・30年目・50年目映画へと続くシリーズ全体像
俺たちの旅「10年目の再会」の基本情報を徹底解説

まずは、俺たちの旅10年目の再会の基本的な情報からお伝えしていきます。
1985年9月4日に日本テレビ系「水曜ロードショー」枠で放送されたこの作品は、1975年から1976年にかけて放送された連続ドラマの正統続編です。オリジナル版と同じスタッフ・キャストが集結したことでも話題になりました。
放送時間は21:02〜22:54の約95分間で、テレフィーチャー作品としてフィルム撮影で制作されています。制作会社はオリジナル版と同じくユニオン映画が担当し、監督は斎藤光正さん、原作・脚本は鎌田敏夫さんというオリジナル版から継続したスタッフ陣が手がけた正統続編です。
俺たちの旅10年目の再会 基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 放送日 | 1985年9月4日(水曜日) |
| 放送局 | 日本テレビ系 |
| 放送時間 | 21:02〜22:54(約95分) |
| 放送枠 | 水曜ロードショー(テレフィーチャー作品) |
| 視聴率 | 関東20.0%/関西16.3% |
| 制作会社 | ユニオン映画 |
| 監督 | 斎藤光正 |
| 脚本 | 鎌田敏夫 |
あらすじとストーリーの見どころ
俺たちの旅10年目の再会は、連続ドラマ終了から10年後の世界を描いた物語です。物語の幕開けは、山梨県身延で農協の貸付係として働いていたワカメこと浜田大造が久しぶりに東京に出てきたところから始まります。
ワカメが向かったのは、学生時代に仲間たちと何度も集った思い出の場所である井の頭公園でした。懐かしの井の頭公園は昔のままの姿を残していましたが、かつて4人が青春の日々を過ごした「いろは食堂」周辺はすっかり様変わりしていました。10年という歳月は、街並みだけでなく、かつての仲間たちの人生にも大きな変化をもたらしていたのです。
ワカメがグズ六のもとを訪ねると、グズ六は実家のマンションで「NSサービス」という会社を経営する社長になっていました。しかし、カースケやオメダとはもう何年も会っていないという寂しい現実が明かされます。あれほど濃密な時間を共に過ごした4人でしたが、社会に出てそれぞれの人生を歩む中で、いつしか疎遠になっていたのです。
4人が最後に揃ったのは、オメダの母親の葬式で4年前のことでした。この設定は、青春時代の仲間との関係が社会人になると自然と希薄になっていくという、多くの視聴者が共感できるリアルな描写といえます。
オメダ失踪事件が物語を動かす
そんな中、オメダの妹・真弓から衝撃的な知らせが入ります。「オメダが蒸発した」というのです。オメダこと中谷隆夫は、勤務先の会社が倒産するという不運に見舞われていました。
職を失ったオメダは、妻・小枝子の実家がある鳥取へ帰っていましたが、義理の実家での肩身の狭い生活の中、何をやってもうまくいかない日々が続いていたのです。そんな苦悩の日々の中で、世界を飛び回り成功しているカースケの噂を耳にしたオメダは、かつての仲間との差に打ちのめされ、ますます自己嫌悪に陥っていきます。
そして、ついに耐えきれなくなったオメダは、家族にも何も告げずに姿を消してしまったのでした。
オメダの失踪を知ったグズ六は、すぐにカースケに連絡を取ります。世界中を飛び回る自由人として羽振りの良い生活を送っていたカースケでしたが、仲間の危機と聞いて駆けつけます。
こうして、10年ぶりにカースケとグズ六が再会し、オメダを探す旅が始まるのです。この「仲間の危機に際して再び集まる」という展開は、どれだけ時間が経っても変わらない友情の絆を象徴しており、本作の大きなテーマの一つとなっています。
ストーリーの見どころ
- 青春時代の仲間たちが30代になり、それぞれの人生で壁にぶつかっている姿
- カースケと洋子の10年ぶりの再会と切ない告白シーン
- 鳥取・隠岐の島を舞台にしたオメダ捜索の旅
- 友情の絆が時を超えて描かれるラストシーン
- 30代特有の挫折と再起を描いたリアルな人間ドラマ
感動のラストシーン
カースケとグズ六による捜索の末、最終的にオメダは隠岐の島で見つかります。オメダは、旅館を営む子持ちの女性・佐伯のもとに身を寄せていました。佐伯もまた人生に苦労を抱える女性であり、同じように行き場を失ったオメダを受け入れていたのです。
しかし、仲間たちの熱意に心を動かされたオメダは、逃げ続けることをやめる決意をします。
ラストシーンは、カースケ、オメダ、グズ六の3人でオメダの妻・小枝子に謝りに行くコミカルな場面で幕を閉じます。深刻なドラマが続いた後だけに、このユーモラスなエンディングは視聴者にほっとした笑いを与えてくれます。
しかし、その笑いの中にも、どんな困難があっても仲間と共に乗り越えていくという友情の深さが感じられる名場面となっています。この「笑いと涙が同居する」演出は、俺たちの旅シリーズの真骨頂といえるでしょう。
中村雅俊ら豪華キャスト一覧
俺たちの旅10年目の再会には、オリジナル版から継続して出演する豪華キャストが勢揃いしています。1975年から1976年にかけて放送された連続ドラマから9年の時を経て、同じ俳優陣が同じ役柄を演じるという贅沢なキャスティングが実現しました。
これは当時としても非常に珍しいことで、視聴者にとっては「あの頃の仲間たちが本当に10年後にどうなったのか」をリアルに体験できる貴重な機会となりました。ここでは、10年後の設定でそれぞれのキャラクターがどうなったのか、詳しくご紹介していきます。
メインキャスト4人の10年後
| 俳優名 | 役名 | あだ名 | 10年後の設定 |
|---|---|---|---|
| 中村雅俊 | 津村浩介 | カースケ | 世界中を飛び回り羽振りの良い生活を送る自由人 |
| 秋野太作(津坂まさあき) | 熊沢伸六 | グズ六 | 実家マンションで「NSサービス」を経営する社長 |
| 田中健 | 中谷隆夫 | オメダ | 勤務先倒産後、妻の実家・鳥取へ。苦悩の末に失踪 |
| 森川正太 | 浜田大造 | ワカメ | 山梨県身延で農協の貸付係として勤務 |
中村雅俊さん演じる津村浩介(カースケ)は、連続ドラマでは三流私学「修学院大学」のバスケ部キャプテンとして、自由奔放に生きる姿が多くの視聴者の共感を呼びました。
10年後のカースケは、その自由人としての生き方をさらに発展させ、世界中を飛び回るビジネスマンとして成功を収めています。しかし、表面上は華やかな生活を送りながらも、かつての恋人・洋子への想いは消えていないという設定が、物語に深みを与えています。
秋野太作さん(当時は津坂まさあきの芸名で活動)演じる熊沢伸六(グズ六)は、早稲田大学出身のプライドを持ちながらも、何をするにも煮え切らない性格から「グズ六」というあだ名がついたキャラクターです。
10年後は実家のマンションで「NSサービス」という会社を経営する社長になっており、妻・紀子との生活も安定しています。仲間の危機に際してすぐに行動を起こす姿は、学生時代と変わらない友情の証といえます。
田中健さん演じる中谷隆夫(オメダ)は、「俺は駄目な男だ」とすぐに落ち込むところから”ダメオ”の逆読みであだ名がついた、不器用で心優しいキャラクターです。連続ドラマでも何度も挫折を経験しながらも這い上がってきたオメダでしたが、10年後も相変わらず人生の壁にぶつかっています。
勤務先の倒産、妻の実家での肩身の狭い生活、そして失踪という展開は、30代の挫折をリアルに描いており、多くの視聴者の胸を打ちました。
森川正太さん演じる浜田大造(ワカメ)は、いつもヨレヨレのワカメのような寝間着を着ていることからあだ名がついた、東大を目指す浪人生でした。
最終的に大学進学を諦め、カースケと共に「なんとかする会社」を立ち上げたワカメは、10年後には故郷の山梨県身延で農協の貸付係として堅実に働いています。物語の冒頭で東京に出てくることで、疎遠になっていた仲間たちを再び結びつける役割を担っています。
その他の重要キャスト
金沢碧さん演じる山下洋子は、本作において非常に重要な役割を果たすキャラクターです。連続ドラマでは修学院大学バスケットボール部のマネージャーとして登場し、カースケに想いを寄せていました。
卒業後はNBSラジオのアナウンサーになりましたが、その後南米で学者と結婚。しかし10年目の再会では、夫から離婚を迫られる不幸な境遇にあるという設定で登場します。カースケとの切ないすれ違いのドラマは、本作最大の見どころの一つとなっています。
| 俳優名 | 役名 | 役柄 |
|---|---|---|
| 金沢碧 | 山下洋子 | カースケに想いを寄せた元バスケ部マネージャー。南米で学者と結婚したが離婚危機 |
| 上村香子 | 熊沢(竹内)紀子 | グズ六の妻 |
| 岡田奈々 | 中谷真弓 | オメダの妹。兄の失踪を皆に知らせる |
| 永島暎子 | 佐伯 | 隠岐の島で旅館を営む子持ちの女性。失踪したオメダが身を寄せる |
| 左時枝 | 神崎小枝子 | オメダの妻 |
| 角野卓造 | 洋子の夫 | 大学教授。洋子に離婚を切り出す |
| 田坂都 | 浜田の妻 | ワカメの妻 |
岡田奈々さんがオメダの妹・真弓役で出演しているのも注目ポイントです。岡田奈々さんは連続ドラマでも同じ役で出演しており、挿入歌「青春の坂道」を歌っていたことでも知られています。
本作では兄の失踪を仲間たちに知らせる重要な役割を担い、物語を動かすキーパーソンとなっています。
永島暎子さんは隠岐の島で旅館を営む佐伯役で出演。失踪したオメダが身を寄せる女性として登場し、オメダと心を通わせる場面が印象的に描かれています。
角野卓造さんは洋子の夫である大学教授役で出演しており、洋子に離婚を切り出すという重要なシーンを演じています。脇を固めるキャストも実力派揃いで、ドラマに厚みを与えています。
カースケと洋子のすれ違いの結末
本作最大の見どころの一つが、カースケと洋子の切ないすれ違いのドラマです。俺たちの旅シリーズを語る上で、この二人の関係は外すことのできない重要な要素といえます。
連続ドラマの頃から、カースケと洋子は互いに想い合いながらも結ばれることのない「すれ違いの恋」を繰り返してきました。10年目の再会では、ついにその関係に決着がつくのかと期待されましたが、結果は予想を裏切るものでした。
物語の中盤、オメダを探すためにグズ六からの連絡を受けて鳥取へ向かったカースケは、思いがけずそこで10年ぶりに洋子と再会します。洋子は南米で大学教授の夫と結婚し、海外で暮らしていましたが、ちょうどこの時期に一時帰国していたのです。
しかし、洋子の境遇は決して幸せなものではありませんでした。夫から離婚を迫られるという不幸な状況に置かれていたのです。角野卓造さん演じる夫は、洋子に対して冷たく離婚を突きつける役柄で、洋子の苦しみがより際立つ演出となっています。
学生時代から続く「すれ違い」
オリジナルの連続ドラマでも、カースケと洋子は何度もすれ違いを繰り返してきました。洋子はバスケ部のマネージャーとしてカースケに想いを寄せ、カースケもまた洋子のことを意識していました。
しかし、カースケの自由奔放な性格と、洋子の控えめな性格が災いし、二人は想いを伝え合うことができないまま学生時代を終えます。洋子はカースケへの想いを胸に秘めたまま南米へ旅立ち、現地で出会った学者と結婚したのです。
10年目の再会で、二人は鳥取という思いがけない場所で再会します。離婚の危機に瀕している洋子と、世界を飛び回る成功者となったカースケ。
二人きりで美術館を訪れたり、海辺を散歩したりする中で、学生時代には語れなかった想いが少しずつ溢れ出していきます。そしてついに、カースケは初めて「俺のところに来いよ」と洋子に告白するのです。
学生時代から続く「すれ違い」の歴史
オリジナルの連続ドラマでも、カースケと洋子は互いに想い合いながらも結ばれることのない関係でした。カースケの自由奔放な性格と、洋子の控えめな性格。そして、お互いに素直になれないもどかしさ。
10年目の再会でついにカースケが告白するという展開は、ファンにとって待望のシーンだったといえます。しかし、その結末は…。
米子駅での切ない別れ
カースケの告白に対する洋子の答えは、予想外のものでした。「津村君に同情されるなんて嫌」—洋子はそう言ってカースケの申し出を拒否します。離婚の危機という自分の弱みを見せている状態で、カースケの言葉を受け入れることはできなかったのです。
洋子のプライドと、カースケへの本当の想いが複雑に絡み合った、切ない返答でした。
クライマックスの舞台は米子駅。洋子は列車に乗り込み、ドアの陰に身を隠します。カースケは洋子を探して車両を駆け抜けますが、見つけることができません。やがて列車のドアが閉まり、洋子を乗せた列車は走り去っていきます。
10年ぶりの再会がカースケと洋子を結びつけることはありませんでした。学生時代から続く二人の「すれ違い」は、10年経っても結ばれることなく終わるのです。
この切ない結末は、その後の「20年目の選択」「30年目の運命」へと続くシリーズの重要な伏線にもなっています。特に「30年目の運命」では、洋子の死という衝撃的な展開が待っており、カースケと洋子の関係は永遠に完結しないまま終わることになります。
しかし、この「結ばれない恋」こそが俺たちの旅シリーズの魅力の一つであり、視聴者の心に深く刻まれる理由でもあるのです。
オメダとグズ六のその後の人生
カースケと洋子のドラマと並行して、オメダとグズ六のその後の人生も丁寧に描かれています。
10年目の再会は、単にカースケの恋愛物語だけでなく、4人それぞれの人生がどのように変化したのかを描いた群像劇としての側面も持っています。特にオメダの苦悩は、30代という年代特有の挫折をリアルに描いており、多くの視聴者の共感を呼びました。一方のグズ六は、学生時代から変わらぬ性格で仲間を支える姿が印象的です。
苦悩するオメダ—30代の挫折をリアルに描く
オメダこと中谷隆夫は、オリジナル版では「俺は駄目な男だ」とすぐに落ち込むところから”ダメオ”の逆読みであだ名がついたキャラクターでした。
真面目で心優しい性格ですが、何をやっても空回りしてしまう不器用さが彼の持ち味です。大学卒業後は不動産会社に就職したものの、会社の理不尽な営業方針に思い悩んだ末に退職。その後、カースケたちの「なんとかする会社」に合流するという経緯がありました。
10年後のオメダも、相変わらず不器用な生き方をしています。新たに就職した会社が倒産するという不運に見舞われ、職を失ってしまいます。妻・小枝子の実家がある鳥取に身を寄せることになりますが、義理の実家での生活は肩身が狭いものでした。
何をやってもうまくいかない日々が続き、オメダの心は次第に追い詰められていきます。
そんな中でオメダが耳にしたのは、世界を飛び回るカースケの成功話でした。学生時代は自分と同じように自由奔放に生きていたはずのカースケが、今や世界を股にかけて活躍している。
一方の自分は、会社の倒産で無職になり、妻の実家に世話になっている。この残酷な対比が、オメダの自己嫌悪をさらに深めていきます。そしてついに、耐えきれなくなったオメダは、家族にも何も告げずに姿を消してしまうのです。
オメダの失踪が描く「30代の挫折」
オメダの失踪は、単なるドラマ上の事件ではなく、30代という年代特有の苦悩を象徴しています。社会に出て10年。ある程度の実績を積んでいるはずの年齢でありながら、思うようにいかない現実。周囲の成功者との比較。家族への責任感と自分への失望。これらが複雑に絡み合い、オメダを追い詰めていきます。この設定は、視聴者の多くが自分自身の経験と重ね合わせることができる、リアルな描写といえます。
社長になったグズ六—変わらぬ友情の象徴
一方のグズ六こと熊沢伸六は、10年後に実家のマンションで「NSサービス」という会社を経営する社長になっていました。
早稲田大学出身のプライドを持ちながらも、何をするにも煮え切らない性格から「グズ六」というあだ名がついた彼でしたが、10年の歳月を経て、それなりに安定した生活を手に入れています。
グズ六の魅力は、学生時代から変わらない仲間思いの姿勢にあります。オメダの失踪を知った時、グズ六はすぐにカースケに連絡を取ります。世界を飛び回っている多忙なカースケに連絡することを躊躇する場面もありますが、仲間の危機に際しては迷わず行動を起こします。そして、カースケと共に鳥取へ向かい、オメダを探す旅に出るのです。
妻・紀子との関係も本作では描かれており、オリジナル版から継続して出演する上村香子さんが演じています。学生時代に結ばれた二人は、10年後も仲睦まじい夫婦として描かれています。グズ六は自分の会社を経営しながらも、家庭を大切にする姿が随所に見られ、彼の「普通の幸せ」を追求する生き方が表現されています。
仲間の危機に際してすぐにカースケに連絡を取り、共に鳥取へ向かうグズ六の姿は、変わらぬ友情の象徴として印象的です。カースケ、オメダ、グズ六、そしてワカメ。4人がそれぞれ異なる人生を歩みながらも、いざという時には駆けつけ合う。この友情こそが、俺たちの旅シリーズの核心であり、視聴者の心を打ち続ける理由なのです。
主題歌と挿入歌の魅力
俺たちの旅10年目の再会でも、オリジナル版から継続して中村雅俊さんが歌う「俺たちの旅」が主題歌として使用されています。
この楽曲は、ドラマの世界観を見事に表現した名曲として、放送から約50年が経った今でも多くの人々に愛され続けています。主題歌を聴くだけで、カースケたちの青春の日々が蘇ってくるという方も多いのではないでしょうか。
小椋佳が手がけた不朽の名曲
主題歌「俺たちの旅」は、作詞作曲を小椋佳さんが手がけています。
この曲はオリコン週間チャートで2位を記録し、累計87万枚という大ヒットを記録しました。当時、小椋佳さんは第一勧業銀行(現みずほ銀行)の銀行員として働きながら作詞作曲活動を行っていたことでも話題になりました。
サラリーマンとシンガーソングライターの二足のわらじを履いていた小椋佳さんの存在は、当時としては非常に珍しいものでした。
「俺たちの旅」の歌詞は、自由を求めて生きる若者たちの姿を詩的に描いています。「夢の坂道は 木の葉模様の石畳」という冒頭のフレーズから始まり、人生という旅路を歩む若者たちの希望と不安が織り交ぜられた内容となっています。この普遍的なテーマが、時代を超えて聴く人の心に響き続ける理由といえるでしょう。
シリーズ主要楽曲一覧
- 主題歌:「俺たちの旅」中村雅俊(小椋佳 作詞作曲)
- エンディング:「ただお前がいい」中村雅俊
- 挿入歌:「青春の坂道」岡田奈々
- 挿入歌:「生きる」「木もれ陽」田中健
- 挿入歌:「私の町」「街の灯」「盆帰り」中村雅俊
トランザムによる印象的なBGM
BGMはオリジナル版から引き続きトランザムが担当しています。トランザムは、俺たちの旅だけでなく、「俺たちの勲章」などの日本テレビ系ドラマで多くの楽曲を手がけたバンドです。彼らが生み出す哀愁漂うメロディは、ドラマの名場面をさらに印象深いものにしています。
サウンドトラックは「俺たちの旅 オリジナル・サウンド・トラック」「俺たちの旅II オリジナル・サウンド・トラック」の2枚がリリースされています。また、2004年にはTVサイズ版初収録となる主題歌・挿入歌集「俺たちの旅・青春の詩―俺たちシリーズ主題歌・挿入歌集―」も発売されました。ファンにとっては、これらのアルバムでドラマの世界に浸ることができる貴重なアイテムといえます。
海外でも愛される主題歌
興味深いのは、この主題歌が海外でも高い人気を誇っているという点です。
香港では1977年に「前程錦繡」のタイトルでドラマが放送され、主題歌は広東語版としてカバーされました。この広東語版は香港で大ヒットし、現在も多くの香港歌手たちによってカバーされ続けています。日本のドラマ主題歌が海外でこれほど長く愛され続けているのは、楽曲の普遍的な魅力を物語っているといえるでしょう。
挿入歌もまた、ドラマの魅力を支える重要な要素です。岡田奈々さんが歌う「青春の坂道」は、洋子の切ない心情を表現した楽曲として印象的です。
また、田中健さんが歌う「生きる」「木もれ陽」は、オメダの不器用な生き方を象徴するような曲調で、物語に深みを与えています。これらの楽曲がドラマの場面と相まって、視聴者の感動をより一層深めているのです。
俺たちの旅「10年目の再会」の視聴方法まとめ

ここからは、俺たちの旅10年目の再会を今から視聴する方法について詳しく解説していきます。1985年に放送された作品ですので、リアルタイムで視聴できなかった方や、もう一度見直したいという方も多いのではないでしょうか。DVD購入や配信サービス、再放送情報など、2025年現在の最新情報をお届けします。視聴方法を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
DVDや配信で視聴する方法
2025年12月現在、俺たちの旅10年目の再会を視聴する主な方法についてまとめていきます。結論から言うと、最も確実な視聴方法はDVD購入です。残念ながら、主要な動画配信サービスでの配信は現時点では確認されていませんが、DVDは複数のルートで入手可能ですので、詳しくご紹介していきます。
DVD購入—最も確実な視聴方法
バップから発売されている「俺たちの旅 十年目の再会」DVD(品番:VPBX-12131)が、最も確実な視聴方法です。価格は税込4,180円、収録時間は94分となっています。フォーマットはDVDで、カラー・モノラル・ドルビーデジタル・片面1層・4:3の仕様です。
| 商品名 | 発売元 | 品番 | 価格(税込) | 収録時間 |
|---|---|---|---|---|
| 俺たちの旅 十年目の再会 | バップ | VPBX-12131 | 4,180円 | 94分 |
| 俺たちの旅 二十年目の選択 | バップ | — | 3,679円 | — |
| 俺たちの旅 三十年目の運命 | バップ | VPBX-12089 | 5,280円 | 118分+特典18分 |
| 連ドラ版 VOL.1〜12(全46話) | バップ | 各巻 | 各約5,109円 | 各巻約200分 |
購入はAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの大手通販サイトで可能です。在庫状況は変動しますので、複数のサイトをチェックしてみることをおすすめします。また、中古品であればメルカリやヤフオクなどのフリマアプリ・オークションサイトでも出品されていることがあります。
分冊百科「昭和 傑作テレビドラマ DVDコレクション」
もう一つの入手ルートとして、アシェット・コレクションズ・ジャパンから発売されている分冊百科「昭和 傑作テレビドラマ DVDコレクション」があります。2023年8月から刊行が始まったこのシリーズでは、俺たちの旅の連続ドラマ版が各号2話ずつ収録されたDVDとマガジンがセットになっています。ただし、「三十年目の運命」は本シリーズのDVDには収録されないことが公式にアナウンスされていますので、スペシャル版を視聴したい方は単品DVDの購入をおすすめします。
>> 俺たちの旅 昭和 傑作テレビドラマ DVDコレクションを見る
配信サービスの状況
配信状況に関する注意
2025年12月現在、Netflix、Amazon Prime Video、Hulu、U-NEXTなど主要な動画配信サービスでは、俺たちの旅シリーズの配信は確認されていません。「俺たちの旅」や「飛び出せ!青春」といった昭和の青春ドラマシリーズは、残念ながらサブスクリプションサービスでの配信が非常に少ない状況です。
視聴を希望される場合は、DVD購入またはCS放送をご検討ください。配信状況は変更される可能性がありますので、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。
TVerでは時期によって連続ドラマ版の第1話から配信されていることがあります。無料で視聴できるサービスですので、定期的にチェックしてみることをおすすめします。ただし、スペシャル版「十年目の再会」がTVerで配信されているかどうかは、時期によって異なりますので、最新の配信状況を確認してみてください。
また、YouTubeでは「俺たちの旅30年SP-三十年目の運命-」の名場面集などが一部公開されていることがあります。ただし、全編を視聴するには公式のDVDを購入する必要がありますので、ダイジェスト的に雰囲気を掴みたい方向けの選択肢といえます。
>> 俺たちの旅 昭和 傑作テレビドラマ DVDコレクションを見る
再放送やBlu-rayの最新情報
DVDや配信以外にも、再放送やBlu-rayという視聴方法があります。特にCS放送では定期的に俺たちの旅シリーズが放送されていますので、CS放送を視聴できる環境がある方にとっては要チェックです。ここでは、再放送情報とBlu-ray情報について詳しくまとめていきます。
CS放送での再放送情報
日テレプラスでは、定期的に俺たちの旅シリーズが放送されています。日テレプラスは日本テレビ系のCS放送チャンネルで、スカパー!やJ:COMなどのサービスで視聴可能です。2026年1月には「三十年目の運命」の放送も予定されているとのことですので、CS放送を視聴できる環境がある方は、番組表をチェックしてみてください。
また、BS日テレでは2025年10月20日から毎週月〜金曜12:00〜13:00に連続ドラマ版全46話が再放送されました。BSデジタル放送は、対応テレビとアンテナがあれば無料で視聴できますので、スペシャル版の放送がある際にはぜひチェックしてみてください。
再放送をチェックするコツ
俺たちの旅シリーズは、周年記念や関連イベントの時期に再放送されることが多いです。2026年1月に映画「五十年目の俺たちの旅」が公開されることから、この前後の時期にスペシャル版の再放送が行われる可能性が高いと考えられます。日テレプラスやBS日テレの番組表は定期的にチェックしておくことをおすすめします。
Blu-ray情報
2010年1月にバップからBlu-ray全6巻が発売されています。このBlu-rayセットには、全46話の連続ドラマ版に加え、スペシャル版3作(十年目の再会、二十年目の選択、三十年目の運命)も収録されています。シリーズ全体を一気に視聴したい方にとっては、最もコストパフォーマンスの良い選択肢といえるかもしれません。
Blu-rayに関する補足
Blu-ray版はHDマスターではなく、SD素材のアップコンバート収録となっています。これは、オリジナルのフィルム素材がHDリマスター処理されていないことを意味します。そのため、最新のBlu-ray作品と比較すると画質面で見劣りする可能性があります。画質を重視される方はこの点をご了承の上、購入をご検討ください。とはいえ、DVDよりは高画質で視聴できますので、大画面テレビで視聴される方にはBlu-rayをおすすめします。
Blu-rayセットの購入も、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの通販サイトで可能です。ただし、発売から10年以上経過しているため、新品の在庫が少なくなっている可能性があります。中古品も含めて検討されることをおすすめします。
20年目や30年目の続編との違い
俺たちの旅には、10年目の再会の後も続編が制作されています。1995年に「二十年目の選択」、2003年に「三十年目の運命」が放送され、主人公たちのその後の人生が描かれました。それぞれの作品には特徴があり、10年目の再会とは異なる魅力を持っています。ここでは、各作品の違いを詳しくご紹介していきます。
二十年目の選択(1995年)—40代の苦悩と選択
連続ドラマ終了から20年後、40代になった主人公たちを描いた作品が「二十年目の選択」です。1995年9月1日に放送されました。このスペシャルでは、それぞれが人生の岐路に立たされている姿が描かれています。
カースケは、仕事で知り合った聡子と結婚し、彼女の実家の会社を再建して社長に就任しています。しかし、かつての自由人としての生き方とは程遠い、責任と義務に縛られた生活に「うんざり」しているという設定です。自由を追い求めてきたカースケが、40代にして「自由のない生活」を送っているという皮肉な展開は、多くの視聴者の共感を呼びました。
グズ六は、人材派遣会社を経営していますが、浮気が原因で妻・紀子とは別居中という設定です。学生時代から変わらぬ仲間思いの姿勢は健在ですが、家庭では問題を抱えているという複雑な状況が描かれています。
オメダは、鳥取で造り酒屋を営み、市長選への出馬準備で忙しい日々を送っています。10年目の再会では失踪するほど追い詰められていたオメダが、20年目には政治家を目指すまでに成長しているという展開は、彼の人生の転機を感じさせます。
物語は、ワカメから「身延で旅館を始めるので最初の客として招待したい」という手紙が届くところから動き出します。久しぶりに集まることになった4人が、それぞれの悩みや選択を語り合う姿が描かれています。
三十年目の運命(2003年)—50代の決断と別れ
日本テレビ開局50年記念スペシャルドラマとして2003年12月16日に放送されたのが「三十年目の運命」です。視聴率15.8%を記録し、シリーズの根強い人気を証明しました。50代になった主人公たちの姿が描かれ、カースケのかつての恋人・洋子の死という衝撃的な展開も含まれています。
物語は、50代の孤独と憂鬱を感じたグズ六が、市長選で奮戦中のオメダを訪ねるところから始まります。オメダの妹・真弓から「10年前にスペインに旅立ったはずのカースケが徳島にいる」と聞き、二人は徳島に向かいます。そこで見たのは、52歳になっても青春を謳歌している昔のままのカースケの姿でした。
しかし、カースケにも息子・直也のイジメ問題や、かつての恋人・洋子の死という試練が訪れます。学生時代から続いてきたカースケと洋子の「すれ違いの恋」は、洋子の死によって永遠に完結しないまま終わることになります。この展開は、シリーズを通して見守ってきたファンにとって衝撃的なものでした。
| 作品名 | 放送日 | 視聴率 | 登場人物の年代 | 主なテーマ |
|---|---|---|---|---|
| 十年目の再会 | 1985年9月4日 | 20.0% | 30代半ば | 30代の挫折と友情 |
| 二十年目の選択 | 1995年9月1日 | 非公開 | 40代半ば | 40代の選択と岐路 |
| 三十年目の運命 | 2003年12月16日 | 15.8% | 50代半ば | 50代の決断と別れ |
全作品に共通する制作陣
全3作とも鎌田敏夫さん脚本・斎藤光正監督のコンビで制作されています。オリジナルの連続ドラマから一貫して同じ制作陣が手がけることで、シリーズの世界観が守られてきました。鎌田敏夫さんは「俺たちの旅」だけでなく、「金曜日の妻たちへ」「男女7人夏物語」など数々のヒットドラマを生み出した名脚本家です。
鎌田さんには「四十年目」の構想がありましたが、2012年に斎藤光正監督が逝去されたため、残念ながら実現しませんでした。「十年目」「二十年目」「三十年目」と続いてきた節目のスペシャルが「四十年目」で途切れてしまったのは、ファンにとっても無念なことだったといえます。
しかし、2026年に公開される映画「五十年目の俺たちの旅」によって、シリーズは新たな形で継続されることになりました。
50年目の映画化とシリーズの展開
そして2026年1月9日、ついにシリーズ初の劇場版「五十年目の俺たちの旅」が公開されます。
放送開始から50年という節目を記念した本作は、70代となった主人公たちの姿を描きます。テレビドラマとして始まったシリーズが、ついに銀幕へと進出するこの作品は、ファンにとって待望の企画といえるでしょう。
映画の概要と注目ポイント
70代となった3人を描くこの映画では、中村雅俊さんが映画初監督を務めるという大きな話題性があります。
主演として50年間カースケを演じ続けてきた中村雅俊さんが、ついに監督として作品を仕上げるというのは、シリーズの集大成にふさわしい展開といえます。脚本は引き続き鎌田敏夫さんが担当。上映時間は109分、TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開されます。
映画「五十年目の俺たちの旅」基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年1月9日(金) |
| 上映館 | TOHOシネマズ日比谷ほか全国 |
| 監督 | 中村雅俊(映画初監督) |
| 脚本 | 鎌田敏夫 |
| 上映時間 | 109分 |
| 出演 | 中村雅俊、秋野太作、田中健、岡田奈々 ほか |
70代の主人公たちの設定
映画では、70代となった3人がそれぞれどのような人生を送っているのかが描かれます。
- カースケ:小さな町工場を経営
- オメダ:米子市長
- グズ六:介護施設理事長
特に注目すべきは、「三十年目の運命」で20年前に病死したはずの洋子が生きているという驚きの展開が明かされていることです。これは、シリーズを通して描かれてきたカースケと洋子の「すれ違いの恋」に、新たな展開が訪れることを予感させます。
70代になってもなお、二人の関係がどのような結末を迎えるのか、ファンにとっては最大の注目ポイントといえるでしょう。
50周年記念イベント
映画公開に先立ち、2025年9月には「The 50th Anniversary 俺たちの旅 スペシャルコンサート」が全国4都市で開催されました。中村雅俊さんをはじめとする出演者たちが参加し、シリーズの楽曲を披露するなど、ファンにとって忘れられないイベントとなりました。
また、JR東海「推し旅」とのコラボレーションや、聖地・吉祥寺でのコラボイベントも始動しています。映画公開を記念して、ロケ地巡りを楽しむファンも増えることが予想されます。
50年という長い歴史を持つシリーズだけに、関連イベントも盛りだくさんで、2026年はまさに「俺たちの旅イヤー」になりそうです。
ロケ地で聖地巡礼を楽しむ方法
俺たちの旅シリーズのファンなら、ロケ地を巡る聖地巡礼もおすすめです。連続ドラマ版は1970年代の吉祥寺を舞台にしており、当時の街並みを知る上でも貴重な映像資料となっています。また、10年目の再会では鳥取県や隠岐の島も舞台となっており、旅行を兼ねて聖地巡礼を楽しむことができます。ここでは、主なロケ地をご紹介していきます。
メインロケ地—吉祥寺・井の頭エリア
井の頭恩賜公園(武蔵野市)は、カースケたちが集まる象徴的な場所として作中に何度も登場します。都立公園として1917年に開園した歴史ある公園で、井の頭池を中心とした豊かな自然が魅力です。現在も当時の面影を残しており、ファンにとっては必見のスポットです。池のボートに乗ったり、周辺を散策したりしながら、ドラマの世界に浸ることができます。
吉祥寺サンロード商店街は、オープニングで3人が肩車をする有名シーンの撮影地です。吉祥寺駅北口から伸びるアーケード商店街で、現在も多くの買い物客で賑わっています。当時とは店舗の入れ替わりがありますが、商店街の雰囲気は今も健在です。
京王井の頭線 井の頭公園駅も作中頻繁に登場するロケ地です。井の頭恩賜公園の最寄り駅として、カースケたちが乗り降りするシーンが何度も描かれました。現在も当時と同じ場所に駅舎があり、ドラマの雰囲気を感じることができます。
| ロケ地 | 住所・最寄り駅 | 作中での登場シーン |
|---|---|---|
| 井の頭恩賜公園 | 武蔵野市御殿山/井の頭公園駅 | カースケたちが集まる象徴的な場所 |
| 吉祥寺サンロード商店街 | 武蔵野市吉祥寺本町/吉祥寺駅 | OPで3人が肩車をする有名シーン |
| 京王井の頭線 井の頭公園駅 | 武蔵野市御殿山 | 作中頻繁に登場 |
| 津田塾大学小平キャンパス | 小平市津田町 | 修学院大学として使用 |
| 三鷹跨線橋 | 三鷹市 | 複数回登場 |
十年目の再会のロケ地—鳥取・隠岐エリア
10年目の再会では、オメダ捜索の舞台として鳥取県と隠岐の島が登場します。オメダが妻の実家に身を寄せていた鳥取、そして失踪後に身を隠していた隠岐の島は、物語の重要な舞台となっています。
特に米子駅は、カースケと洋子のクライマックスの別れのシーンに使われており、ファンにとっては感慨深い場所といえるでしょう。洋子が列車のドアに隠れ、カースケに見つからぬまま去っていくあの切ないシーンが撮影された場所です。現在も駅舎は営業しており、当時の雰囲気を感じながら聖地巡礼を楽しむことができます。
隠岐の島は、島根県に属する離島です。オメダが身を寄せていた旅館のロケ地として登場します。自然豊かな島で、観光地としても人気があります。聖地巡礼を兼ねて、島の自然や文化を楽しむ旅行もおすすめです。
聖地巡礼の際の注意
主人公たちの下宿先として使用された「たちばな荘」(杉並区方南)は2014年に取り壊され、現在はコインパーキングになっています。ドラマに登場した建物の多くは、50年近い歳月の中で姿を変えています。訪問の際は最新情報をご確認の上、お出かけください。また、私有地や住宅地への立ち入りはお控えいただき、マナーを守った聖地巡礼をお願いします。
俺たちの旅10年目の再会は今も愛される名作
俺たちの旅10年目の再会は、1985年の放送から約40年が経った今でも多くのファンに愛され続けている作品です。視聴率20%という高い数字を記録したことからも、当時の反響の大きさがうかがえます。
しかし、この作品が長く愛され続けている理由は、単に当時人気があったからだけではありません。時代を超えて普遍的に響くテーマと、制作陣のこだわりが、この作品を「名作」たらしめているのです。
「10年後も見られる番組を」—制作陣のこだわり
オリジナル版の連続ドラマは、「当たらない」とされていた大学生主人公のドラマで大成功を収め、青春ドラマの金字塔と称されるようになりました。
その成功の裏には、制作陣の明確なビジョンがありました。制作陣は「10年後も見られる番組を作ろう」を合言葉に、流行語や一過性のスポットを意図的に避けて制作したといわれています。
この方針は見事に的中しました。当時の流行に頼らず、友情、恋愛、挫折、そして再起という普遍的なテーマを丁寧に描いたことで、俺たちの旅は時代を超えて愛される作品となったのです。10年目の再会が制作されたのは、まさにその「10年後」。そして実際に、40年以上経った今でも新たなファンを獲得し続けているのですから、制作陣の先見の明には驚かされます。
エンディング散文詩に込められたメッセージ
オリジナル版は毎話エンディングに鎌田敏夫さんによる散文詩が流れることで知られています。これらの詩は、ドラマのテーマを凝縮した珠玉の言葉として、多くの視聴者の心に刻まれました。
名台詞・エンディング散文詩より
- 「明日のために今日を生きるのではない。今日を生きてこそ明日が来るのだ」(第25話)
- 「金も名誉も地位もいらなきゃ 生きることは こんなにも楽しいのに」(第34話)
- 「淋しさを知っている人間だけが 笑って生きていくことの楽しさも知っている」(第37話)
- 「人は なりふりかまわず働くとき なぜか美しい」(第36話)
- 「カースケはカースケのままで グズ六はグズ六のままで オメダはオメダのままで 心はひとつ 俺たちの旅」(最終話)
最終話の「カースケはカースケのままで グズ六はグズ六のままで オメダはオメダのままで 心はひとつ 俺たちの旅」という言葉は、シリーズ全体を貫くテーマを見事に表現しています。それぞれが異なる人生を歩みながらも、心は一つに繋がっている。
この友情こそが、俺たちの旅シリーズの核心であり、視聴者の心を打ち続ける理由なのです。
2026年、再び脚光を浴びるシリーズ
2026年の映画「五十年目の俺たちの旅」公開を控え、シリーズ全体への関心が再び高まっています。50周年記念コンサートの開催、各種コラボレーションイベントの実施、そしてCS放送での再放送など、俺たちの旅を取り巻く環境は活況を呈しています。
まだ視聴したことがない方も、この機会にぜひ俺たちの旅10年目の再会をご覧になってみてはいかがでしょうか。DVDや再放送を通じて、昭和の青春ドラマの魅力を堪能できるはずです。そして、10年目の再会を見た後は、ぜひ20年目、30年目と続けて視聴してみてください。主人公たちの人生を30年以上にわたって追いかけるという、他のドラマでは味わえない貴重な体験ができます。
友情、恋愛、挫折、そして再起—これらの普遍的なテーマは、時代を超えて私たちの心に響きます。俺たちの旅10年目の再会は、そんな普遍的な魅力を持った、まさに「名作」と呼ぶにふさわしい作品なのです。
