「教場って伏線が多いらしいけど、どこに何が仕込まれてたの?」
この作品、一見すると「警察学校で生徒をふるい落とす教官の話」なんですが、実は伏線の密度がすごくて。
義眼の真相、千枚通し、十崎の妹、そして教場0やReunion・Requiemまで続くシリーズ縦糸まで、ネタバレなしでは語れないポイントが山積みなんですよね。
私自身、教場II(教場2)のラストで「えっ、どういうこと?」ってなって、そこから原作小説を読み始めたクチなので、「時系列が複雑で、どこで何が回収されたのかわからない」という気持ちはよくわかります。
Reunionを観て今度こそ整理しようと思い立った方も、Requiemの公開直前に見落とした伏線を確認したい方も、ここを読めばひとまずスッキリできるかなと思います。
この記事では、原作小説・ドラマ(2020・2021・2023)・映画(Reunion・Requiem)をまたいで、教場の伏線を「出現→回収」の流れで整理しています。
ネタバレ度合いにも触れながら解説しているので、ご自身のペースで読んでいただけます。
- 原作小説とドラマで伏線の仕掛け方がどう違うか
- 義眼・千枚通し・妹というシリーズ縦糸の全体像
- 教場II〜教場0〜Reunionにかけての伏線の流れ
- Requiemで回収が期待されるポイントと未解決の謎
教場の伏線を種類別に解説
「教場」シリーズの伏線を楽しむには、まずその構造を把握しておくと理解が格段に深まります。
このシリーズの伏線は、大きく2つのレイヤーに分かれています。
ひとつは、各話・各エピソード内で完結する”短期回収型”の伏線。
もうひとつは、作品をまたいで何年もかけて続いていくシリーズの縦糸です。
短期回収型は、主に原作小説の各話や、ドラマの単話エピソード内で機能します。
「匂い」「道具」「規則」「癖」といった一見ささいな描写が、同じ話の中で鮮やかに回収されるタイプです。
一方のシリーズ縦糸は、義眼・千枚通し・十崎と妹という三本柱を中心に、2021年から2026年まで5年以上をかけて段階的に提示・回収されてきた、もっとスケールの大きな謎です。
まずは縦糸の中心にある義眼・千枚通し・妹の流れから整理し、次にドラマや映画ごとの重要な伏線を見ていきましょう。
教場IIの伏線と義眼の真相

2021年正月に放送された教場II(教場2)は、シリーズ全体の伏線設計においてとりわけ重要な作品です。
なぜなら、ドラマ全体を貫く最大の縦糸——風間公親の右目(義眼)の真相——が初めて”本格的な謎”として提示されたのがこの作品のラストだからです。
教場IIの後編ラスト、雨の屋上で鳥羽に「私の右目のことで覚えがあるな」と静かに告げる風間のシーン。
そしてフラッシュバックのように挟まれる、バディが倒れ、風間が千枚通しで右目を刺される惨劇の映像。
このわずか数分の場面に、シリーズの今後を左右する情報が凝縮されていました。
視聴者の多くがリアルタイムで「このシーンで何かが始まった」と直感したはずです。
①風間の右目は義眼である(義眼の真相はこの時点ではまだ未解決)
②千枚通しという凶器が使われた(のちに「千枚通しの男」として十崎が浮かびあがる)
③バディが殺された「雨の惨劇」があった(2023年の教場0でこの背景が掘り下げられる)
実際、2023年の連続ドラマ『風間公親-教場0-』は、公式が「あの夜の惨劇の理由を描く物語」として位置づけており、教場IIのラストは教場0への直接的な伏線として機能しています。
このような複数作品にまたがる縦糸設計は、近年の日本ドラマでは珍しいタイプで、「映画シリーズのような伏線構造」と言われる理由でもあります。
また、義眼そのものの”リアルな再現方法”や撮影裏側も気になっている方が多いですよね。
当サイトでは別記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。→【教場の義眼】はどうやって再現?キムタクの右目メイクと撮影の裏側
ちなみに、教場IIの本編にも短期回収型の伏線はいくつも丁寧に仕込まれています。
たとえば石上の物音への過敏な反応(→過去の事故によるトラウマとして後半で回収)、名札の保管方法の違い(退校者と休学者で別扱い→休学者への”救済の余地”を視覚的に示す)など。
一見して何気ない描写が、話が進むにつれて意味をもつ構造になっているんですよね。
義眼の縦糸ほど派手ではないですが、こうした小さな仕掛けが重なって作品全体の奥行きになっている。
そのあたりが、繰り返し見たくなる理由のひとつだと思います。
さらに、教場IIには田澤(副教官見習い)というキャラクターも登場し、風間へ復讐しようと虚偽の報告を続けるものの即座に見破られるという展開があります。
この場面で風間が語る「私も警察には恨みだらけだ。命を捨ててでもこの組織に報復したいほどな」というセリフは、単なる励ましではなく、風間自身がどれほどの傷を負ってきたかを匂わせる重要な台詞でもあります。

教場IIの伏線は、終盤の縦糸だけでなく、こうした中盤の台詞にも細かく仕込まれているのが特徴です。
教場0の伏線と千枚通しの意味


2023年4月から6月にかけて放送された連続ドラマ『風間公親-教場0-』は、教場IIのラストから直接つながる”答え合わせ”の物語です。
風間がなぜ刑事を離れ、警察学校の教官になったのか、その理由と背景が丁寧に描かれています。
タイトルの”0(ゼロ)”が示すとおり、これは教場シリーズ全体の”原点”に当たる前日譚です。
このドラマで特に重要な伏線のキーワードが「千枚通し」です。
第3話で幸葉のバッグに千枚通しが入っているという描写があり、視聴者は「なぜここで千枚通しが?」と感じます。このアイテムは単なる偶然ではなく、シリーズ縦糸の象徴として繰り返し機能していきます。
「千枚通し」がシリーズで担う役割
教場IIのラストで風間の右目を刺した凶器が千枚通し。教場0ではその千枚通しを使う「千枚通しの男」こと十崎波瑠が徐々に実体化してきます。第6話で正体が具体化し、最終回ラストの「妹はどこだ?」というセリフへとつながっていく——という流れです。千枚通しというありふれた文房具が、シリーズの象徴的凶器として機能しているのは、原作者・長岡弘樹氏の伏線設計のうまさを感じるポイントですね。
そして教場0最大の未回収伏線が、最終回ラストに残された「妹はどこだ?」という十崎のひと言。
この「妹」が誰なのかは、ドラマ版では一切明かされないまま幕を閉じます。
放送当時、SNSでは「妹って誰?」「幸葉が妹なのでは?」「十崎に妹がいたとはどういうこと?」という考察が飛び交い、かなりの話題になっていました。
実際、幸葉(堀田真由)が風間に対して特別な感情を持つ様子や、警察官になると誓うシーンなどから「幸葉=十崎の妹では?」という推測は、視聴者の中でかなり広まっていた説でした。
しかし映画Reunionで妹の素性が明らかになると、幸葉=妹説は否定された形になりました(妹の正体については後のセクションで詳しく解説します)。
こうした「考察の盛り上がり→映画で回収」という流れも、この作品の楽しみ方のひとつですよね。
また教場0の公式が明言していたこととして、このドラマは「風間がなぜ警察学校にいるのか」の”前史”を描くものという位置づけがありました。
つまりドラマ全体がひとつの巨大な伏線であり、教場II以降のシリーズを見た人が「あの惨劇の全貌はこういうことだったのか」と腑に落ちる構造になっています。
初見では単話完結のミステリーに見えても、2020・2021年版を先に視聴した人ほど深い感動を得られる設計——これが教場0の面白さの核心だと思います。
加えて、教場0では十崎波瑠を演じた森山未來さんの怪演も大きな話題になりました。
セリフが少ないながらも、ただそこにいるだけで空気が変わるような存在感。
「千枚通しの男」という記号的な紹介から始まり、第6話でその正体が明かされた際の衝撃は、多くの視聴者の間で語り草になっています。



伏線の”回収瞬間”として、この第6話のシーンはシリーズ随一のインパクトだったと感じます。
教場Reunionの伏線と回収
2026年1月1日からNetflixで配信が始まった映画の前編『教場 Reunion』。
シリーズ初の映画化ということで話題になりましたが、伏線の観点から見ると、これまで積み上げられてきた謎が本格的に動き出す作品でもあります。
教場0で残された「妹はどこだ?」という問いに対する答えが出るのも、このReunionです。ここでは主要な伏線・回収ポイントをセクションに分けて整理します。
なお、Reunionの全体的なあらすじや配信情報については、当サイトの別記事でも詳しくまとめています。→【教場reunion】を2倍楽しむ!配信・キャスト・後編公開日まとめ
妹・紗羅の正体が判明
教場0で十崎が放った「妹はどこだ?」の答えが、Reunionでついに示されます。
十崎の妹は澄田紗羅という人物で、生まれつきの弱視を持ち、パニック障がいと外出恐怖症を抱えていることが語られます。
十崎が18年前に風間に逮捕されたとき(逮捕理由は交際相手を千枚通しで刺し殺したこと)、妹はひとりきりになってしまいました。
そして判明するのが、風間が十崎の服役中、妹の生活を支援していたという事実。
刑事として十崎を逮捕した風間が、その妹を静かに支え続けていた——。
この事実が明かされたとき、「妹はどこだ?」という問いの本当の意味がようやくわかります。
十崎はこれを嫉妬から怨恨に変え、出所後も妹の居場所を探し続けていた。
風間に対する憎しみの核心が、実は妹への「嫉妬」であったという皮肉な構造です。
また、風間は十崎との面会で「妹とはもう二度と会わない」と約束していたことも明かされます。
珍しく「すまなかった」と頭を下げる風間の姿は、あの冷酷な教官が心の中に抱えてきた罪悪感を初めて表に見せた瞬間であり、キャラクターの深みが一段増した場面でした。
デスクのファイルと授業の問い
Reunionの教場パートでも、短期回収型の伏線がしっかり機能しています。
序盤、風間が「デスクに立てたファイルの意味は何か?」と訓練生に問うシーン。
多くの訓練生が意味を答えられない中、中盤の交番研修パートで、そのファイルが”血しぶきを防ぐ”実用的な意味を持つことが回収されます。
授業での問いが現場での行動に直結する——という教場ならではの伏線設計ですね。
この仕掛けは原作小説の「課題が現実の答えになる」という構造とも共鳴しており、「教場という空間が実際の現場と直結している」というテーマを体現したシーンになっています。
また、このシーンは表彰状がきっかけで警察官を志した訓練生・八代の成長と絡み合う形で機能しており、単なるトリックではなく人物の変化の描写としても効いています。
風間の視力に関する新たな伏線
Reunionで新たに提示された伏線のひとつが、風間がブッポウソウという鳥を見えていないのでは?という描写です。
義眼を持つ風間が、今度は視力そのものに新たな問題を抱えているのでは、という示唆として機能しており、Requiemでの回収が強く期待されます。
義眼になった経緯が教場0で描かれたのに続き、今度は「見えている」はずの左目にも問題が生じ始めているとすれば、風間公親というキャラクターの身体的・精神的な限界が物語の核心になってくる可能性があります。
冷酷に生徒をふるい落とし続けてきた風間が、自分自身の衰えや限界と向き合う場面がRequiemで描かれるのではないか——という考察が、視聴者の間で広まっているのもうなずけます。
Requiemへ持ち越された伏線
Reunionのラストでは、十崎の妹・紗羅が謎の集団に拉致されてしまいます。
その集団の中には、ドラマ第1作目(2020年版)に登場した訓練生・平田和道の息子の姿もありました。
Reunion中盤では「父が肝臓の病気で亡くなり、自身はクリーニング店でバイトをしている」と語っていた平田が、ラストで主犯格として登場するこの展開は、過去作を知っているファンほど強い衝撃を受けるシーンです。
また、教場内の訓練生・氏原が十崎にメッセージアプリで情報を流していたことも明かされます。
金銭を受け取っていたとみられる氏原の動機、そして十崎が持つ組織的な後ろ盾の正体など、多くの疑問がRequiemへと持ち越されました。
注意:Reunionは「前編」です
Reunionは前後編の前編に当たります。十崎との決着、紗羅の行方、卒業式での出来事など、主要な伏線の回収は後編『教場 Requiem』(2026年2月20日より劇場公開)に持ち越されています。Reunionを観終わったあとの「え、ここで終わるの!?」という感覚は、多くの視聴者が共有していると思います。
教場の十崎と妹に関する伏線


シリーズ全体を通じて最も長い縦糸が、十崎波瑠と妹をめぐる因縁です。
この縦糸は2021年から2026年にかけて5年以上をかけて展開されており、日本の連続ドラマシリーズとしても異例のスパンで仕込まれた長期伏線と言えます。
十崎波瑠(演:森山未來)という人物は、風間公親の右目を奪い、バディを殺したとされる「千枚通しの男」として、教場IIラストから登場します。
その犯行の動機は、かつて交際相手が弱視の妹を揶揄したことにあり、激情から相手を千枚通しで刺し殺してしまった。
その後18年の服役ののち出所した十崎が、風間への憎しみと妹への執着を抱えて動き出す——というのがシリーズ後半の核心軸です。
ここで時系列を整理しておきましょう。
| 作品 | 十崎・妹に関する提示 | 回収状況 |
|---|---|---|
| 教場II(2021)ラスト | 雨の屋上で右目を刺す犯人の存在が示される | 犯人の素性は未回収→教場0へ |
| 教場0(2023)第6話 | 「千枚通しの男」=十崎波瑠として正体が具体化 | 部分的に回収 |
| 教場0(2023)最終回 | 「妹はどこだ?」発言。妹の存在が前景化 | 妹の正体は未回収→映画へ |
| Reunion(2026) | 妹の正体(澄田紗羅)判明。風間との関係も明かされる | 妹の正体は回収。紗羅拉致で次へ |
| Requiem(2026) | 紗羅の行方、十崎との決着、卒業式での陰謀 | 公開後に確定予定 |
こうして並べると、十崎にまつわる伏線は2021年から2026年まで5年以上かけて段階的に提示・回収されてきたことがわかります。
シリーズを通して見ている視聴者が報われる設計であり、「このシリーズを全部追ってきてよかった」と感じさせる縦糸の張り方です。
特に印象的なのが、十崎の犯行動機の構造です。
「妹を守りたい」という愛情が出発点でありながら、それが嫉妬と憎しみに変わっていく。
風間が妹を支援していたという事実を知ったとき、その支援すら「自分を貶めるもの」と感じてしまう十崎の歪んだ感情。
このあたりの心理描写が、単純な「悪役」ではない複雑なキャラクターとして十崎を際立たせていると思います。
また、Reunionに登場する平田(ドラマ第1作目の訓練生の息子)の再登場は、「教場の教育がどのような影響を後世に与えてきたか」というテーマとも絡む重要な伏線です。
平田の父は殉職した宮坂を助けた人物であり、その息子が謎の集団の主犯として現れるという皮肉な展開は、シリーズが積み重ねてきた人間関係の厚みを利用した仕掛けと言えます。
原作小説における伏線の特徴


原作小説(長岡弘樹著、小学館刊)の伏線設計は、ドラマとは少し質感が違います。
連作短編集のフォーマットを最大限に活かして、各話の中に密度高く仕込まれているのが特徴です。
また、ドラマシリーズが”縦糸”を長期で積み上げていくのに対し、原作はあくまで”短期回収型”を磨き抜いた作りになっています。
原作を読んでいると「この作者、絶対にフェアな謎の出し方をしている」と感じます。
後から「そんなこと書いてなかった!」という驚かせ方はせず、ちゃんと読者に手がかりを提示したうえで回収する。
ミステリ小説としての基本姿勢が徹底されているんですよね。
匂い・道具・癖が鍵になる
原作の伏線でよく使われるパターンが「感覚的な描写を手がかりにする」もの。
映像では視覚情報が中心になりますが、小説だからこそ「匂い」という感覚が伏線の鍵になる場面が多い。いくつか例を挙げます。
- ミントオイルを染み込ませたハンカチの匂いから差出人が特定される(第二話「牢問」)
- 整髪料の匂いにスズメバチが誘引されたと気づく(第五話「異物」)
- アスパラガスで尿が匂う癖が記憶を呼び覚ます(教場2・第三話「罰則」)
- 偏光性塗料で角度によって車の色が変わって見えることが復讐相手の誤認を示す(第二話「牢問」)
「匂い」を伏線のツールとして使うのは、映像では表現しにくい分、小説ならではの強みです。
読んでいる側が「そういえば、あの描写はそういう意味だったのか!」と気づく瞬間の快感は格別で、読んでいて「そこか!」となる体験が頻繁にあります。
規則が”罠”になる
もうひとつのパターンが、警察学校の規則そのものを伏線として使う手法です。
「手帳を紛失したら即退校」「休学者と退校者は別扱い」「特定の品物の持ち込み禁止」といったルールが物語の中で伏線として機能します。
ドラマ2020年版でも「警察手帳の紛失」が重要な場面で使われていて、原作からの設計を上手く映像化に活かしていると感じます。
特に2020年版後編では、拳銃と警察手帳の紛失規則が組み合わさって退校を迫る構図になっており、「規則=物語の鍵」という教場ならではのトリック設計が見事に映像で機能していました。
また、第三話「蟻穴」に登場する「戦時中に鼓膜を蟻に食われた話」の挿話が、次の第四話「調達」で直接回収される連作型の伏線も秀逸です。
一話完結型でありながら、隣り合う話がゆるやかにつながっている——このリズムが読者を引き込む仕掛けになっています。
原作とドラマの伏線、どちらから入る?
原作はひとつひとつの話が完結しているので、「伏線の回収感」を短時間でしっかり味わいたいなら原作がおすすめです。ドラマは義眼・十崎・妹という縦糸の面白さが際立つので、シリーズを通して長期的な謎解きを楽しみたいならドラマが向いています。どちらが優れているというわけではなく、それぞれの媒体に合ったかたちで伏線が設計されていると考えるのが正確かなと思います。
教場の伏線一覧と回収まとめ
ここからは、各メディア・作品別に教場の伏線を整理していきます。
「どこで出てきて、どこで回収されたのか」を一覧で把握したい方向けのセクションです。
なお、ここから先はネタバレを含む内容が続きますので、未視聴・未読の方はご注意ください。
特に重度ネタバレのものについては、本編を楽しんだあとで参照されることをおすすめします。
教場の伏線ネタバレ解説
ここでは特にドラマ版の代表的な伏線を、ネタバレ込みで詳しく解説します。
ドラマ版は2020年・2021年・2023年・2026年と複数作品にわたるため、作品別に分けて整理します。
2020年SP版(前編・後編)の伏線一覧
シリーズ第一作となる2020年版は、前後編合わせて「風間という教官の正体」と「教場がふるいとして機能している構造」を視聴者に示すことが主な役割でした。
伏線も各話完結型が中心で、後の作品ほど縦糸は少ないですが、匂いや規則を使った回収はこの時点から非常に精巧です。
| 伏線の内容 | 回収箇所 | ネタバレ度 |
|---|---|---|
| 便器用洗剤の紛失/硫黄の匂い・入浴剤の持ち込みが示される | 前編終盤:有毒ガス発生の計画が回収。ただし洗剤は水にすり替え済みで致命傷を回避 | 重度 |
| 岸川への脅迫状と匂いのヒント | 前編:ミントの匂いから差出人が特定される(原作「牢問」と対応する仕掛け) | 重度 |
| 宮坂がわざと下手な職質をした | 前編:風間が見抜いており、教場内リスクの早期検知役(スパイ役)を命じる構図に | 中度 |
| 南原の部屋の拳銃と”警察手帳紛失”の規則 | 後編:手帳紛失=即退校の規則が悪用される構図が回収。拳銃所持が決定打に | 重度 |
| 手話で「尊敬」を「好き」にすり替える | 後編:他者を尊重できていない点として退校届を突き付けられる倫理面のふるいに | 中度 |
| 広報誌の表紙投票で枝元が選ばれる | 後編:退校・休学の扱いの差異と菱沼の変化(筆跡)で評価が反転する伏線として機能 | 中度 |
2021年SP版(教場II)の伏線一覧
教場IIは前後編構成の中に短期回収の伏線を密に配置しつつ、後編ラストで縦糸を一気に提示する構成になっています。
ラストの「雨の屋上」シーンは何度見ても緊張感があります。
| 伏線の内容 | 回収箇所 | ネタバレ度 |
|---|---|---|
| 漆原の異常行動(走り回る・掲示板を探す)→薬物疑いのように見える | 前編ラスト:薬物疑惑ではなく、掲示板の知らせ(宮坂の事故情報)を待っていたと回収。誤認を逆手にとった伏線 | 中度 |
| ポリタンク・殺虫剤・携帯酸素など”爆発物材料”になり得る備品が消える | 後編:備品盗難の動機が明かされ、進退(退校/休学)へ繋がる | 重度 |
| 名札の保管方法の違い(休学者と退校者で別扱い) | 後編:退校=断絶、休学=復帰可能という作品内規範を視覚的に回収。救済の余地を示す | 軽度 |
| 田澤の物音への過敏反応・石上のトラウマ的行動 | 後編:過去の事故とトラウマの関連が語りとして回収。「覚悟を引き出す訓練」テーマへ | 中度 |
| 後編終盤、鳥羽に「私の右目のことで覚えがあるな」と告げる | 次作(教場0)への連続伏線として機能。この台詞がシリーズ縦糸の本格的な始まり | 軽度 |
| 雨の屋上でバディが襲われ、風間が千枚通しで右目を刺される | 教場0全体:惨劇の理由と背景を描く連続ドラマとして設計。5年越しの縦糸の始点 | 重度 |
ドラマと原作の伏線の違い
同じキャラクターや設定でも、原作小説とドラマ版では伏線の回収方法が変わることがあります。
この「差分」は、原作ファンとドラマファン、どちらにとっても興味深い比較ポイントです。
原作を読んでからドラマを観ると「あのシーンはこう変えたのか」という発見があり、ドラマを観てから原作を読むと「映像ではこの要素を省いていたのか」という発見がある。
どちらから入っても楽しめるのがこの作品の強みだと思います。
回収方法が変わる主な例
最も大きな違いは、伏線の”感覚”の変化です。
原作では匂いや癖といった「感覚情報」が伏線の鍵になることが多いのに対し、ドラマではキャラクターの表情・行動描写・映像演出が前面に出るため、伏線の仕掛け方が視覚的に変化します。
たとえば原作の「牢問」では、ミントオイルの匂いが手紙の差出人特定につながりますが、ドラマ版では同じ仕掛けが使われつつも、映像的な演出が加わって伏線の”見え方”が変わっています。
また原作では登場人物の年齢・性別が変更されるケースもあり、「誰がその役を担うか」が原作とドラマで異なることも少なくありません。
さらに、義眼・十崎・妹という縦糸はドラマ版のオリジナル要素が強く、原作の世界観をベースにしながらも映像化にあたって拡張・再設計されたものと考えると整理しやすいです。
原作小説は連作短編集として完結しているため、シリーズを貫く縦糸を持つ構造ではありません。
映像版はこの縦糸をあとから付与することで、シリーズ全体を「ひとつの大きな物語」として成立させています。
もうひとつ興味深い違いが、風間の指導スタイルの描かれ方です。
原作では各話の謎解きと退校勧告がほぼセットで展開されますが、ドラマ版では風間が「辞めるな」とは言わずに自らの意志で選ばせるシーンが加えられていたり、生徒との距離感がより情緒的に描かれていたりします。
原作の風間がより無機質な「ふるい」に近い存在だとすると、ドラマの風間は「ふるいながらも何かを伝えようとしている」印象が強い。
この差分が、原作を読んだあとにドラマを観たときの「あ、ここが違う」という気づきにつながります。
原作との違いを楽しむコツ
原作はあくまでドラマの「ベース」。ドラマ独自の縦糸(義眼・十崎・妹の謎)については原作で答えを探すのではなく、映像作品として完結した流れで追うほうがスッキリします。逆に、各話の「ひっかけ」や「回収の快感」を味わいたいなら原作小説の読書体験がおすすめです。
教場Requiemの伏線考察
2026年2月20日より劇場公開となる『教場 Requiem』は、シリーズの集大成として位置づけられています。
Reunionで持ち越された伏線がどう回収されるかが最大の見どころですね。
「Requiem(レクイエム)」はラテン語で”鎮魂”を意味する言葉。
シリーズを通じて積み上げられてきた様々な因縁や痛みに、何らかの決着がつけられることを示すタイトルと言えます。
公式告知から読み解ける回収ポイント
公式の予告・告知情報からわかる範囲で、Requiemで回収が期待されるポイントを整理します。
あくまで告知・予告ベースであり、公開後に内容が確定する点をご了承ください。
| Reunionで提示された伏線 | Requiemでの回収期待 | 確定度 |
|---|---|---|
| 紗羅(十崎の妹)の拉致 | 紗羅の行方と、平田が関わる理由の解明 | 公式告知あり |
| 「卒業式で何かが起きる」という示唆 | 卒業式がクライマックスの舞台になる可能性 | 公式告知あり |
| 風間と十崎の因縁(18年越し) | 十崎との最終対決・決着 | 公式告知あり |
| 風間の視力に関する新たな示唆(ブッポウソウ) | 義眼に続く”視力”問題の回収 | 考察ベース |
| 氏原の怪しい行動(Reunion内) | 氏原の動機と真相 | 考察ベース |
| 爆破を受けて倒れる風間の映像(予告内) | クライマックスの危機とその理由 | 予告情報あり |
Requiemに関するネタバレ情報について
本記事は公式告知・予告情報の範囲でRequiemの伏線を整理しています。Requiemの詳細な内容については、正確な情報は公式サイトや劇場でご確認ください。最終的な内容の判断はご自身の責任でお願いします。
個人的に最も気になっているのが、平田の再登場の意味と動機です。
ドラマ第1作目に登場した訓練生・平田和道の息子という設定で、Reunion中盤では「父がクリーニング店で働いていたが病気で亡くなった」と語っていました。
その人物がラストで紗羅拉致の主犯格として現れる。
父(平田和道)は殉職した宮坂を雪の中から救い出した人物であり、そのことがきっかけで宮坂は警察を志したという経緯があります。
言わば「警察の善の象徴」のような人物の息子が、なぜ今こちら側にいるのか。
その動機と背景がRequiemで明かされることへの期待が高まります。
また、Requiemの主題歌がUru「今日という日を」に決まったことも公式から発表されています。



教場0の主題歌も同じUrさんだったことを考えると、シリーズの締めくくりとして円環を閉じる選曲ですよね。
教場の時系列と視聴順ガイド
「教場シリーズ、どれから見ればいい?」「時系列はどういう順番になってるの?」という質問は非常に多く見かけます。
シリーズ全体の見る順番については当サイトの別記事で詳しくまとめているのですが、ここでも要点を整理しておきます。→教場見る順番2026!【映画完結編】まで迷わず楽しむ時系列ガイド
物語内の時系列
物語が描いている出来事の時系列としては、
教場0(2023)→教場(2020)・教場II(2021)→Reunion・Requiem(2026)の順です。
教場0は風間がまだ捜査一課で刑事指導官として働いていた時代を描いた「前日譚」にあたります。刑事だった風間が、なぜ警察学校の教官になったのか——その答えが教場0で描かれる。
ただし、物語内の時系列順に視聴することが必ずしもベストではありません。
教場0を先に観ると「なぜ風間が教場にいるのか」は最初からわかりますが、逆に「義眼の秘密」や「千枚通しの男の正体」をすでに知った状態で2020・2021年版を観ることになり、縦糸の伏線を”はじめて体験する”感動が薄れてしまいます。
おすすめ視聴順
初めて見る方へのおすすめ視聴順
放送順(制作順)で見るのがベストです。
①教場(2020年SP・前後編)
②教場II(2021年SP・前後編)
③風間公親-教場0-(2023年連続ドラマ・全10話)
④教場 Reunion(2026年・Netflix配信)
⑤教場 Requiem(2026年・劇場公開)
教場0が前日譚とはいえ、先に2020・2021年版を見て風間の”現在”を把握してから前史を知る流れのほうが、伏線の意味が深く刺さります。教場IIのラストを観てから教場0を観ると「ああ、このためにあのシーンがあったのか」という体験ができます。
一方で、すでに教場0だけ観たという方は、2020・2021年版を見返すと「あのシーンはこういうことだったのか」という逆方向の気づきが得られます。
たとえば2020年版に登場した菱沼(川口春奈)や宮坂(工藤阿須加)がReunionで再登場し、それぞれがどんな成長を遂げているかが描かれるシーンは、シリーズを通して追ってきた視聴者ほど感慨深く感じる設計になっています。
どちらから見ても楽しめるとは言え、やはり放送順に追った人が一番”報われる”シリーズだと私は思います。
また、映画公開前のタイミングで見返したい方には、教場IIの後編ラスト(雨の屋上のシーン)と教場0の最終回だけ確認してから劇場に行く、という方法もありかなと思います。
Requiemを観る前に押さえておきたい重要伏線のポイントが凝縮されているのが、この2つのシーンだからです。
Q&A(よくある質問)
教場の伏線を総まとめ


最後に、教場の伏線全体を改めて振り返っておきます。
教場シリーズの伏線は、「各話完結の短期回収型」と「シリーズをまたいだ縦糸型」の二層構造で設計されています。
原作小説では匂い・道具・規則・癖を巧みに使った短期回収が光り、ドラマ・映画では義眼と千枚通し、十崎と妹という縦糸が5年以上の時間をかけて段階的に提示・回収されてきました。
教場の伏線設計の面白さは、「気づいたときには全部つながっていた」という体験ができることです。
教場IIのラストで「なんか壮大な謎が始まった」と感じ、教場0で「あの惨劇の背景はこうだったのか」と理解し、Reunionで「妹の謎がここで動くのか」と驚く・・
このリズムがシリーズの醍醐味だと思います。
また、このシリーズが単なる「謎解き」を超えているのは、伏線の背後に必ず「人物の内面」があるからだと感じます。
義眼の理由には刑事としての風間の痛みが、千枚通しの凶器には十崎の歪んだ愛が、妹の存在には数十年にわたる人間の業が刻まれている。
謎が解けるたびに「そういう人間が、そういう選択をしてきたのか」という納得感が生まれるのが、教場シリーズの伏線回収の気持ちよさではないでしょうか。
Requiemで十崎との因縁がどう決着するのか、紗羅の行方はどうなるのか、風間の視力に関する新たな示唆は何を意味するのか、そして風間公親という人物がシリーズの最後にどんな顔を見せるのか。



2026年2月20日の劇場公開が楽しみですね。
