2023年に日本中を熱狂の渦に巻き込んだ日曜劇場『VIVANT』ですが、放送終了後もその緻密な設定や伏線回収について語り合いたいというファンは少なくありません。
私自身、毎週日曜日の夜はテレビの前で正座待機し、放送終了後はSNSで考察合戦に参加するのが日課でした。
特に物語の鍵を握っていたのが、テロ組織「テント」に協力する「モニター」と呼ばれる存在です。
一見すると普通に生活している彼らが、なぜ組織のために動くのか、そして劇中で誰がその正体だったのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。
「モニター」という言葉の響きだけ聞くと、なんだかアルバイトのような軽い印象を受けるかもしれませんが、その実態は国家を揺るがすほどの危険性を秘めています。
この記事では、作中で描かれたモニターの意味や役割、そして視聴者を驚愕させた裏切り者たちの詳細について、ドラマの熱狂を振り返りながら分かりやすく解説していきます。
- テロ組織テントにおける「モニター」の定義とスリーパーとしての役割
- 誤送金事件や公安内部の裏切りに関与した具体的な人物と手口
- 放送当時に視聴者の間で加熱した「誰がモニターか」という考察の経緯
- 最終回で明らかになった日本国内に潜伏するモニターの一覧と正体
ドラマ『VIVANT』モニターとは組織の影

物語の根幹を揺るがす「モニター」という言葉ですが、単なる協力者という枠を超えた、非常に恐ろしくも興味深い設定が隠されていましたね。
ドラマを一度見ただけでは理解しきれなかった細かい設定や、組織の恐るべき構造について、ここでは深掘りしていきます。
劇中で語られたモニターの定義や、謎多きテロ組織「テント」との関係性について、その仕組みを紐解いていきましょう。
モニターの意味とスリーパーの役割
『VIVANT』において頻繁に耳にする「モニター」という言葉ですが、これは諜報活動や軍事用語における「スリーパー(潜伏工作員)」と同義であると劇中で明確に説明されています。
スリーパーとは、その名の通り「眠っている」工作員のこと。
彼らは普段、私たちと同じように一般企業で働いていたり、公務員として生活していたりと、完全に社会に溶け込んでいます。
彼らは、額に「悪人」と書いてあるような分かりやすい敵ではありません。
毎朝同じ電車に乗り、同じオフィスでコーヒーを飲み、週末には家族サービスをしているかもしれない。
そんな「善良な市民」の仮面を被っている点が、モニターの最大の武器であり、恐怖なのです。
- 日常への潜伏:普段は一般市民として生活し、周囲に怪しまれないよう完璧に振る舞います。性格も温厚で信頼されているケースが多いです。
- アクティベーション(起動):組織からの指令があるまで、決して破壊活動や目立った行動は起こしません。何年も、あるいは何十年も「寝ている」こともあります。
- 地位の悪用:指令が下ると、その社会的地位や職場のアクセス権限を利用して、組織のために情報収集や工作活動を行います。
彼らの恐ろしさは、「誰が敵か分からない」という強烈な疑心暗鬼を生む点にあります。
普段は善き隣人や優秀な同僚として振る舞っているため、いざという時に内部から組織を食い破るような工作が可能になるのです。
まさに「能ある鷹は爪を隠す」の悪用版とも言えるでしょう。
劇中でも、信頼していた同僚が実はモニターだったという展開が、主人公たちを幾度となく窮地に追い込みましたね。
テロ組織テントとモニターの関係性
謎のテロ組織「テント」は、世界中にこのモニターを配置することで、巨大な情報網と資金調達ルートを構築していました。
テントの特徴として「犯行声明を出さない」「現場に独自のマークだけを残す」という不気味な点が挙げられますが、これを可能にしているのがモニターたちの暗躍です。
一般的なテロ組織が武力による制圧や恐怖政治を行うのに対し、テントはもっと知的で、ビジネスライクな側面を持っています。
組織の運営体制も非常にシステマティックで、リーダーであるノゴーン・ベキや幹部たちが直接手を下さずとも、各国のモニターが自律的に動く仕組みが出来上がっていました。
※テントの組織構造イメージ
| 本部(バルカ共和国) | ノゴーン・ベキ(乃木卓)、ノコル、バトラカらが統括。 組織の理念や最終決定を行う中枢機関。 |
| 幹部(地域担当) | アリ(GFL社社長)などが、特定の国や地域のモニターを管理。 直接の連絡役として機能する。 |
| モニター(末端工作員) | 各国の重要機関、インフラ企業、警察内部などに潜伏。 実働部隊として、資金調達やテロ支援を行う。 |
興味深いのは、モニターごとの収益や活動が厳密に管理されていた点です。
サイバー攻撃や誤送金、誘拐などで得た収益は案件ごとに記録され、成果を上げたモニターが評価されるインセンティブ構造のようなものが存在したと推測されます。
これは単なる狂信的な思想犯の集まりではなく、高度な管理会計が導入されたビジネス組織のような側面も持っていたことを示唆しています。
実際、現実社会においても、テロ組織が合法・非合法を問わず多様な手段で資金調達を行うことは国際的な課題となっています。テントの描かれ方は、フィクションながらも現代の脅威をリアルに反映していたと言えるかもしれません。(出典:公安調査庁『国際テロリズム要覧』)
誤送金事件に見るモニターの暗躍
物語の発端となった丸菱商事の「140億円誤送金事件」。第1話から視聴者を釘付けにしたこのトラブルもまた、日本国内に潜伏していたモニターによる工作活動の一つでした。
当初、主人公の乃木憂助は自身のミスを疑い、社内からも責任を追及されましたが、これは仕組まれた罠だったのです。
この事件の手口は非常に巧妙でした。単純なシステムエラーや操作ミスに見せかけつつ、裏では高度なハッキング技術や内部権限が悪用されていました。
公安警察の野崎守の分析により、これが単なる事故ではなく、組織的な資金調達の一環であることが明らかになります。
なぜ140億円もの大金が動かせたのか?
通常、企業の大規模送金には何重ものチェックが入ります。しかし、社内のシステム構造や承認フローを熟知している「内部の人間」が関与することで、セキュリティの穴を突くことが可能になります。モニターは、丸菱商事という大企業の信用とインフラを利用し、巨額の資金をバルカ共和国のダイヤモンド会社(テントのフロント企業)へ流出させました。
このように、企業の内部事情を知り尽くした社員がモニターである場合、その被害は甚大なものになります。
外部からの攻撃であればファイアウォールで防げるかもしれませんが、正規のIDとパスワードを持ち、毎朝「おはよう」と挨拶を交わす隣の席の人間による犯行を防ぐことは、極めて困難です。
このリアリティこそが、『VIVANT』がビジネスパーソンにも刺さった理由の一つではないでしょうか。
誰がモニターかという考察の変遷
放送当時、SNS上では「#VIVANT考察」というハッシュタグが毎週のようにトレンド入りし、誰が裏切り者(モニター)なのかを巡って激しい議論が交わされました。
私自身もその一人で、ドラマの画面を一時停止しては細かい演出をチェックしていたのを覚えています。
特に視聴者を悩ませたのが、登場人物全員が怪しく見えるような巧みな演出の数々です。
当時の熱狂ぶりを振り返ると、まるで視聴者全員が探偵になったかのような盛り上がりでした。
- 黄色い服の意味:ドラマ内で「黄色」を身に着けている人物が裏切り者である、という色彩心理学的な説が流行しました。実際、裏切り者が判明するシーンで黄色い小物が映り込むこともあり、信憑性が高いとされていました。
- スマホの操作:誰かがスマホをいじるたびに「今、テントに連絡を取ったのではないか?」「別班の情報をリークしているのでは?」と疑われました。
- 目線の動きと表情:会話中の視線の泳ぎ方や、ふとした瞬間の真顔など、演技の細部まで分析され、「嘘をついているサインだ」と考察されました。
制作陣もこの考察ブームを楽しんでいた節があり、あえて意味深なカットを挿入することでミスリードを誘っていました。
それほどまでに、このドラマにおける「モニター探し」は、単なる犯人探しを超えた一大エンターテインメントだったと言えます。
ドラムや柚木薫に向けられた疑念
考察の中で特に疑いの目を向けられ、視聴者をヤキモキさせたのが、主人公・乃木憂助を支える主要キャラクターたちでした。
「一番信頼できる人が怪しい」というのはミステリーの定石ですが、『VIVANT』でもその法則が適用されるのではないかと、多くのファンが不安視していました。
ドラム説:愛らしさの裏にある有能さ
常に乃木や野崎を献身的にサポートし、視聴者の癒やし担当でもあったドラム。
しかし、彼のあまりの有能さに「実はモニターではないか?」という説が根強く囁かれました。
「日本語が完璧に理解できるのに話せない設定が怪しい」「翻訳アプリの声が実は指令コードになっているのでは?」「そもそも孤児としてテントに育てられた過去があるのでは?」など、様々な憶測が飛び交いました。
結果的には彼は最後まで「良い奴」でしたが、あの愛らしい笑顔の裏に何かあるのではと勘繰った人も多かったはずです。
柚木薫説:空白の時間の謎
二階堂ふみさん演じる医師・柚木薫にも、一時期強い疑念が集まりました。
特に決定打となりかけたのが、病院内でリハビリ中の別班員4人が生存している動画がテントに送られた事件です。
「ICUやリハビリ室に入室でき、怪しまれずに彼らを撮影できるのは担当医である薫しかいない」という推理は、非常に論理的でした。
しかし、一方で「彼女が別班員の顔を知らないはずだ」という反論もあり、議論は平行線をたどりました。
VIVANTの登場人物相関図を見返しても、彼女の立ち位置は常に微妙なバランスの上にあり、最終回で乃木と抱き合うまで安心できませんでしたね。
『VIVANT』モニターとは誰だったのか

物語が進むにつれ、ついにモニターたちの正体が次々と暴かれていきました。
信頼していた仲間の裏切りや、予想だにしない人物の正体に、テレビの前で「ええーっ!」と声を上げてしまった方も多いでしょう。
ここでは、衝撃の事実として判明した主要なモニターたちについて、その背景や動機を含めて詳細に解説します。
山本巧の正体と裏切りの結末
物語序盤における最大の衝撃、そして視聴者にトラウマを植え付けたのは、乃木の同期であり、親友のように接していた山本巧(演:迫田孝也)がモニターだったことでしょう。
丸菱商事のエネルギー事業部1課長として働く彼は、一見すると少し頼りないが人の良いサラリーマンでした。
しかし、その裏の顔は、冷酷なテロ組織の工作員だったのです。
元情報システム部という経歴を持つ彼は、そのスキルを活かして誤送金事件の実行犯として暗躍しました。
動機は、現代の日本社会に対する深い絶望と不満でした。
彼は「この国は一度壊れたほうがいい」という歪んだ正義感を抱き、ダークウェブを通じて自らテントに接触。
2019年には休暇を利用してネパール経由でバルカ共和国へ渡り、軍事訓練を受けていたことまで判明しました。
「同期の絆」すらも利用して乃木を陥れようとした彼の姿には、戦慄を覚えました。
特に、乃木が彼を信じようとしていた描写があっただけに、その裏切りは残酷なものでした。
山本の壮絶な最期
彼は最終的に、別班の黒須駿によって拘束され、自白剤を使われて組織の情報を全て吐かされました。その後、命乞いをする山本に対し、乃木は「美しき我が国を汚す者は排除する」と言い放ち、彼を橋の上から首吊り自殺に見せかけて突き落としました。このシーンは、乃木が単なる被害者ではなく、冷徹な「別班」のエージェントであることを視聴者に知らしめる決定的な瞬間でもありました。
新庄浩太郎が公安で見せた不審な動き
そして、最終話付近での最大のどんでん返し、まさに「ラスボス級」の衝撃を与えたのが、警視庁公安部の新庄浩太郎(演:竜星涼)です。
阿部寛さん演じる野崎守の部下として、クールで優秀な若手刑事として振る舞っていた彼ですが、その正体はテントのモニターでした。
振り返ってみれば、彼の行動には数々の違和感、いわゆる「伏線」が張り巡らされていました。
- 尾行の失敗:重要な局面でターゲット(山本など)を見失うことが多々ありました。当時は「新庄、また失敗したのか」「ポンコツかわいい」などと言われていましたが、これらは全て「わざと逃がす」ための演技だったのです。
- 情報の選別:乃木の経歴調査において、核心に迫る情報をあえて見落とす、あるいは報告を遅らせるような動きがありました。
- バルカ警察との連携:空港での逃走劇など、タイミングが良すぎる(あるいは悪すぎる)場面で彼が登場していました。
番組プロデューサーが「第1話から第9話をよく見れば分かる」とヒントを出していた通り、彼の「無能に見える行動」は全て計算され尽くした「有能な裏切り」だったのです。
野崎さんが彼を部下として可愛がり、信頼していただけに、この裏切りは公安警察にとっても、そして私たち視聴者にとっても非常に心が痛む展開でした。
最終話で彼が海外へ逃亡するシーンは、続編への布石とも取れる不気味さを残しました。
最終話で判明した日本のモニター一覧
物語のクライマックスでは、天才ハッカー・太田梨歩の協力や、公安・別班の執念の捜査により、日本国内に潜伏していた他のモニターたちも一挙に判明しました。
これにより、テントがいかに深く日本社会に浸透していたかが明らかになります。
※最終回で特定された主な国内モニター
| 氏名 | 所属・肩書き | 特徴・役割・罪状 |
|---|---|---|
| 山本 巧 | 丸菱商事 エネルギー事業部 | 誤送金事件の主犯格。システム改ざんを担当し、組織への資金流出を実行した。 |
| 新庄 浩太郎 | 警視庁公安部 外事第4課 | 警察内部からの捜査情報の漏洩、幹部の日本入国および逃亡を支援。 |
| 廣瀬 瑞稀 | アトラス (医療系システム) | EU各国にシステムを販売するエンジニア。医療インフラを通じた情報収集などが疑われる。 |
| 和田 貢 | アイチ自動車 ロシア支社 | 電気自動車の共同開発に従事する営業職。海外拠点を利用したパイプ役。 |
| 熊谷 一輝 | 万俵製作所 | 航空機メーカーへの電子部品供給を行うエンジニア。防衛産業にも関わる技術情報の流出リスク。 |
このリストを見てゾッとするのは、彼らの所属先です。
エネルギー、治安維持(警察)、医療、自動車、精密機器(航空宇宙)。
これらは全て日本の基幹産業や国家機能の中枢です。
テントは無差別に協力者を集めていたわけではなく、国家を内側からコントロールできる、あるいは有事の際にインフラを麻痺させられるような重要なポジションに、計画的にモニターを配置していたことが分かります。
ベキの計画の壮大さと恐ろしさが浮き彫りになった瞬間でした。
衝撃を与えた伏線と回収の全貌
『VIVANT』が単なるアクションドラマではなく、傑作ミステリーとして高く評価される理由は、これらのモニター設定が「後出しジャンケン」ではなく、第1話から緻密に計算された伏線の上に成り立っていたからです。
例えば、新庄が野崎の指示で山本を尾行していた際、人混みであっさりと見失ったシーンがありました。
放送当時は「公安のエリートにしてはお粗末すぎる」「新庄、ポンコツすぎないか?」とネット上でネタにされていました。
しかし、正体が判明してから見返すと、それは「同志である山本を逃がすための意図的なミス」であり、野崎の目を欺くための高度な演技だったことが分かります。
また、病院に入院中の別班員たちが生きているという情報がテントに漏れた件についても、当初は医師である柚木薫が疑われました。
しかし、これも「警察官として病院の警備状況や内部事情を把握できる立場」にある新庄であれば、カメラの死角を利用して撮影し、送信することは容易だったわけです。
全ての違和感が「モニター」という答え一つで氷解するカタルシスは、圧巻の一言でした。
Q&A(よくある質問)
まとめ:VIVANTモニターとは物語の鍵
ドラマ『VIVANT』における「モニター」とは、単なる敵役の名称ではありませんでした。
それは、現代社会の隙間に潜む「見えない恐怖」を具現化した存在であり、同時に、組織への歪んだ忠誠心と人間ドラマが交錯する複雑なキャラクターたちでもありました。
彼らの存在があったからこそ、私たちは「誰も信じられない」「次は誰が裏切るのか」という極上のサスペンスを最後まで味わうことができたのです。
山本や新庄といった衝撃的な正体、そして最後まで気が抜けない展開は、日本のドラマ史に残る名演出だったと言えるでしょう。
もしこれから『VIVANT』を再視聴される方、あるいは続編を期待している方は、ぜひ画面の隅々に映る彼らの「視線」や「些細な行動」に注目してみてください。
初回放送時には気づかなかった、モニターとしての隠された顔や、新たな伏線が見えてくるはずですよ。
VIVANT続編に関する最新情報も気になるところですが、まずはこの「モニター」という深淵な設定を噛み締めながら、物語の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
